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川の近くに住むこと

 最近、常総市の洪水の映像を見たお客さんが、「川の近くは危険じゃないでしょうか」と複数のお問い合わせを頂きます。決して川の近くが危険とは限らないと思っています。

 

 

■川の近くでも自然堤防は比較的安全

 

川の近くでも「自然堤防」と呼ばれる場所があります。洪水のたびに川から運ばれた土砂が積もって少し標高が高くなっている場所。岡山市だと出石町が典型例かもしれません。このような場所は、川に近くても比較的安全なので、昔から人が集落を作ってきました。

自然堤防は流路側および背後(流路と反対側)に広がる後背湿地に対してわずかな高まりとなり、低湿な氾濫原の中では水はけが良い。そのために氾濫原において、古くからの集落はまず自然堤防上に立地し、またとして利用される。 

wikipedeia「自然堤防」より

 

岡山市は、1500年代に作られた城下町で、街としては500年弱の歴史があります。

 

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岡山の城下町と言えば、旭川から西側あたりまでの中心市街地がメインですが、旭川の左岸(東側)も、赤線部分は城下町でした。中納言町から森下町にかけて、少し変わった形で街があったんだなぁ、とは思っていたのですが、まぁ山陽道沿いに街ができたから、くらいしか思ってませんでした。

 

 

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国土地理院が出している治水地形分類図。薄オレンジの部分は自然堤防。中納言町から森下町までの城下町部分が見事に自然堤防上にあります。昔の人は、住む場所をちゃんと分かってるのですね。

 

自然堤防がなぜ安全なのかは、旧河道の危険性と一緒に考えていきたいと思います。

 

「旧河道(きゅうかどう)」とは

 

旧河道とは、扇状地よりも下流平野部において、河蛇行進んでいくと流路短絡した場合洪水時に自然堤防が破られて新し河道が作られた場合にできる。
新旧地形図地質図などからでも判断できる。

地盤大辞典より

 

一見、ただの地面に見えるけど、昔は川が流れていたところが旧河道。 

大学時代、「旧河道だけは気をつけなさい」「旧河道だけは家を買うな」と先生から口々に言われてました。私も家を建てるとき、「中納言町は旧城下町の町人街だった場所で少なくとも400年人が住んでいるから、旧河道では無いな」と一応念頭には置いてました。本当は、上記の地図を調べて、自然堤防上に位置するところまで、きちんと調べるべきだったんですけどね。。。

 

旧河道がどんな風に危険かと言うと、先日の常総市の水害の堤防決壊地点も旧河道を締め切った堤防でした。 

gendai.ismedia.jp

 

常総市付近の空中写真をみると、明確に用水や道路の形状に旧鬼怒川の河川の様子を残しているところが多々ある。常総市三坂町の用水や道路にもこの様子をみることができる。

他方、現在、地表面下に埋もれている旧河道も多い。モノクロの空中写真でみればそれは明らかで、旧河道が埋もれているところは、土地が低湿のため光を吸収するために暗い色調で写っている。逆に、明るい色調でみえている地域は、土地が高く水はけのよいところである。

三坂町の集落をみると、周辺より50㎝~1mほど高く水はけのよい自然堤防と呼ばれるところに大半の住宅が位置している自然堤防は、砂などが厚く堆積した場所である。さらに水田も広がるため、多少の雨量であれば、この地でそれを食い止めることができる。

これに対して、破堤地点の南に位置する常総市の市街地は、旧河道や後背湿地にも位置しており、潜在的に洪水で水害となる地域である。また、このような地点は、地震の際にも揺れが大きくなり、被害が出やすい

元来から洪水被害の「危険地帯」であったことは、明らか。「人災」というなら明治維新以降、河川を人工堤防で閉め切り、その周辺に居住空間を拡大していったことにまでさかのぼらなければならないのだ。

 

 川の近くでも自然堤防は比較的安全。でも旧河道や後背湿地は、元々洪水が起こりやすい上に、地震の際にも揺れが大きくなって被害が出やすい、とまであります。

それを裏付ける記事はこちら

 

tocana.jp

“旧河道”とは土木用語で、かつて川が流れる道筋だったところだ。その17日後に「兵庫県南部地震」が発生、「阪神・淡路大震災」を引き起こした。震災で亡くなった人々の分布図を旧河道図と照らしあわせて見ると、死者のおよそ8割は、過去に川だった地盤上に住居があることが判明した。

 神戸の旧河道上に建っていた神戸市役所、神戸新聞社三宮駅などは倒壊してしまったが、旧河道上ではない南京町では、古い民家でもほとんど倒壊することがなかった。この地域は砂堆(さたい)といって、地盤が比較的乾燥していたために液状化現象なども起きなかったという。また、神戸市内で縄文時代に海だった地域と、この地震震度7を記録した地域が相当に一致するという。

 

授業でも、このことについては口酸っぱく言われたので、よく覚えてます。。。今回、常総市の洪水の影響を見て、旧河道の恐ろしさを改めて知りました。

 

岡山市は、これに加えて干拓地上に市街地が広がっている問題もあります。正直、岡山市街地は、城下町の場所でさえ市街地になってから450年ほどしか経っていないので、地盤は全般的に悪いです。その中でベストは難しいですが、ベターを提案して、お客さんと住む場所を探して行けたらなぁと思っています。

 

ちえのわ不動産

岡山市中区中納言町3-2-壱(路面電車中納言」電停徒歩3分)
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